菊月或斗@幾何学世界紀行

どうも菊月です。ブログのほうを始めました。小説やアレやコレを投稿していきたいと思ってます。よろしくお願いします。

2016-01-01から1年間の記事一覧

幾何学世界紀行 第1章『消失少女』 act.3「瑠璃色の翡翠石」

数分後、新見高校に到着すると、やはり二人は既にいた。 紅葉のほうは頬を膨らませて何やら怒っているようだが、雪は校舎を見つめているだけだった。 「もー遅いじゃあないですか」 完全に予想通りの問だ。 何分たったと思ってるんですかとでもいいたげに、…

幾何学世界紀行 第1章『消失少女』act. 2「アビリティ・ホルダー」

「おっ、紅葉ちゃんじゃねぇか」 紅葉の案内の下、僕と紅葉は警察署へとやってきた。 警察署は、日本(前の世界)のそれより少し古風、否、中世ヨーロッパのような雰囲気すら感じさせる。 と、警察署から誰かが出てきた。 迎えたのは、僕達が会いに来た相手で…

幾何学世界紀行 第1章『消失少女』act.1「名探偵・紅葉」

―1― 翌日、記念すべき最初の依頼が舞い込んできた。記念するほどの事ではないし、できるならばさっさと元の世界に帰りたいのだが、そうもいかないのがこの世界だ。 僕、望月永斗が迷い込んだ街の正式名称は「帝都リベリオン」という。この名前は紅葉曰く、は…

幾何学世界紀行 序章『再会』

今生きている世界以外に、別の世界があるなら――そんな、「鏡の世界」に迷いこんだ、1人の男のお話。―0― 望月永斗は混乱していた。いつも通りに、22時きっちりに寝、朝起床したはずだった。しかし、目に飛び込んだのはいつも見ていた自室の天井ではなかった。…